作曲の参考に:ラウンジ曲の作り方(パターン1)

ラウンジ系BGMの解説

■作曲難易度 ☆☆☆
■編曲難易度 ☆☆☆
■音色難易度 ☆☆




「僕は音大の教授とかバリバリ音大出ましたみたいな人間でないしむしろ音楽の専門学校も出てないので、まあそういう教育受けてない人がどうやるのか、っていう観点で参考にしてください、そして今回はっきり言って某曲とギリあぶないラインで似てるので、問題あったら訴えてくだされば1分30秒くらいでスマホからすぐ消します」



ネオ渋谷系風のラウンジはこういうタイプの編曲だと思うんですよ・・・。もっといろんなパターンあるけどね・・・。今回はこれをパターン1として、作り方、作る流れ、考え方の一つを紹介するよ・・・👻

作曲法「イメージするジャンルの曲を1度聴いてから、あとは適当に繋げていく」


これは危険性がある作曲法です・・・下手だとかなり似ます・・・これやるならAメロとBメロで聴く曲変えるとかすると良いと思う。まあフリッパーズギターと比べたらなんでも大丈夫なんですが、さすがに今回は微妙だと感じたほど似た。作曲的には大丈夫なんだけど編曲が。さておきまして・・・・・

作曲を「これ系のパターンの」ネオ渋谷系ラウンジっぽくするのに意識したこと↓

短三度上の2-5を安易にやる
ネオ渋谷系の人達やそれに影響受けた人達ってこれよく使うよね本当に。例えばCキーでやってたならFm-Bb的な流れ(実際はFm7-Fm7/Bbみたいなテンション感出す)。これやれば本当に簡単にそれっぽくなるから。だけど安易だからこれに頼ってる感出まくりの曲は「出た!」感ハンパない。

Bメロでは下降2-5を安易にやる
ネオ渋谷系の人達やそれに影響受けた人達ってこれよく使うよね本当に。これも簡単にそれっぽくなってくれるしよく使われるし、安易なタイプの技。こういう「入れれば簡単にそれっぽくなる要素」っていうのはけっこういろんなジャンルであると思うし、一概に使ったらダサいだとかかっこいいだとかいうのじゃなくて、使いようだと思う。上手く使ってれば許されるし、「あ」って気づかれる感じで使っているのはどっちかと言えばう~~んだと思う。(表現の音楽としては。何かBGMで使われるとか実用的な用途があるなら、芸術性なんか後回しだから、軽いモラルの問題かも)

6thを使う
例えばピチカートファイヴの三月生まれとかみたいな、なんか6thってラウンジっぽいかなって思って。

基本的にm7, 7th、またはそれ以上のテンション的なコードを使う
これはあつぞうくんが自身の作曲テクとして言っていたし、これ系ラウンジにも通用する方法論だと思ったから。

コード進行は変に凝らずに教科書的に
これは勘。今回のパターンはそうすればいいかなと判断。


そういえば「下降2-5」というのは自分用語なんだけど「まず元の調で25(または251)」的なことをして、その次あたりに「その下の調の25(または251)」的なことをやることだよ。例えば元がCキーなら「Dm-G-C-C-Bm-E-A-A」みたいな。下の調というのは、半音下の調でも良いし、4度くらい下の調でも良いし、何度でもいいと思う。これ系はフレンチポップ(とフレンチポップをネオ渋谷系風アレンジした曲)でもよく使われてるのかな?TOMOSUKE(orange loungeなど)、中田ヤスタカ(敬称略)みたいな。特に中田ヤスタカのcapsuleとかぱみゅぱみゅとかで本当によく聴く。自分は下降ツーファイヴって言ってるけど他の人はなんて言ってるのか気になる。

このくらいしか意識しなかった。これ系の曲は上記の要素使って、あとは適当にやればそれっぽくなるなと構想時にあったから。


編曲法「引用(と勘)」


引用以外に編曲においてネオ渋谷系風のラウンジっぽくするために意識した事は

ブレイクを作る
ネオ渋谷系のラウンジはフィルをなるべくわかりやすく入れてるから意識した。

フィルは盛大にリズミカルにやる
ネオ渋谷系のラウンジはフィルをなるべくわかりやすく入れてるから意識した。盛大なフィルこそが(ネオ)渋谷系らしさの一つだと思う。

この楽器構成(ピアノ、レズリースピーカーな感じのオルガン、いい感じのヴィブラホン、ウッドベース)とこんな感じのリズムとボイシング
こういう楽器構成の、こういうリズムの、こういうボイシングの曲聴いたことないですか?マンガ夜話とかでさ!これ系、一つのパターンになってると思うんだよね・・・。だからピックアップして解説しようと思った。

まずピアノだけど、今回のボイシングは大体目当ての曲を耳コピして雰囲気掴んでやりました・・・。ボイシングの耳コピは、慣れないと難しいかもしれないけど、大体その楽器の定位や音の感じをちゃんと見つけて、その後にまず高さではなく「和音、響きの重さ」を大体聴きとるんだよ。そしたら「これは重いな(いっぱい音使ってるな)」、「これは軽いな(2つ3つくらいかな)」って音の数が大体分かる。でもピアノは特に、実は左手でルートとか低音を鳴らしてたけど聞き取りづらいことがよくあるから、そこは意識的に後で足してみたりして、大丈夫かどうか考えて入れるか考えたり。こうすると「和音のなんとなくの響き」も印象に残ってくるから、テンションを感覚でつけられるようになる。普通にCやっても「この感じじゃないな」ってなって、レを入れたら「これだわ」ってなったり。この「雰囲気、重さを聴く」っていうのは、指揮者的な聴取の仕方の一つかも(誰かTVでこういう聴き方するって言ってた)。

リズムは適当。Bメロのリズムはかなり手抜いてる。ワンパターンにしてる。こういうピアノってネオ渋谷系っぽい。ちなみにベタ打ちで、ベロシティも何もつけてません。8分音符でバンバン打ち込んで行って、たまに伸ばして、だけで、ベロシティは100。例えばcapsuleはもうちょっと凝ってるな~と感じる。

オルガンは、これも大体ボイシングやフレージングは「これ使いたいな」ってことをやってる曲を大体耳コピして解釈して、やる。(ちなみにこの方法論は、売る音楽をやってる人は、あんま口にしないけど、やってるよねわりと。ちょっとイメージ違うけど、バンド音楽なんて実はほぼそうだし。でもバンド音楽はいいんだよね、そういうスタイルだから。こういう「他と違う編曲してますよ~」風な曲でモロにパクるとあれなだけで。・・・。ピアノはほぼずっと似たボイシングでガンガンやっていく(Bメロはちょっと高くなってる)けど、オルガンのボイシングはわりと変則的。ハモったり単音やったり、4声にしたり。

ヴィブラホンのボイシングは、これは自分の脳内から勘で引っ張ってきた。3声くらいだったり単音でフレージングしたりっていう、勘で。勘でやってるので一般的にどうなのかは分からないのでここはちょっとあんまろくなこと言えない。わりと普段から楽器ごとに「雰囲気、重さ」を寝ながらとか軽く耳コピしてればちょっとずつ勘でそれっぽくやれるようになると思う。

これはネオ渋谷系がどうこうじゃないけど、ウッドベースのフレージングは意識して「リスナーに完全に「こういう感じね」って把握されない程度に動かす」ということをやった。これは自分の創作哲学の一種の方法論なんだけど、客の理性に掴まれたら負けみたいな。人間の理性って結構マイナスなこと思いがちなので、なるべく理性に見つからないぎりぎりの複雑性を狙っていくのが良いと思ってて、そこは少し意識しました。無駄にウッドベースだけ。フレージングは「1度5度1度5度」のサンバ、ボサノバ的なリズムを基調としながら、あとは勘で理性に掴まれない程度に動かした。

ドラムはもう引用と、あと適当。スネアの位置なんてコピペミスったのをそのまんま「これいいな」って使ってる。ライドは引用で、ツーツッツツーツッツみたいなあのジャズの典型。リムはボサノバ風のトゥンバオ系のあれ。クラッシュ?シンバルは境目に入れる感じで。

あとずっと似た編曲だから後半とくに飽きてくるし理性に掴まれちゃうけど、用途はBGMとして意識したから、まあ・・・いいかな・・・と判断してオブリガード足したりいろいろいじったりしなかったけどその判断が適していたのかはちょっと力不足でわからない⊂(^(工)^)⊃




音色「目当ての音色をけっこう頑張って探す」


案外音色選択も今回は難しいと思う。これ系は音色が大事だから。しかも無料音源だとなかなかいいの無い。

ピアノはkontaktのやつで名前忘れた。アップライトピアノのやつ。

オルガンはこれ系は本当に音色が大事だと思う。このちょっとジュワジュワした感じのレズリースピーカ~~~~~!って感じのオルガンの音色あんま無い。あってもキレイすぎたり。今回使ったのは無料音源で、UVI workstationってやつにデフォで入ってるジャズオルガンだよ!あとちなみにBメロとAメロではオルガンはミックスを変えてて、Bメロではリバーブをけっこう濃くしてる。このレズリーな感じの(名前忘れた)オルガンがリバーブかかった時の雰囲気好きだったから。

ヴィブラホンも音色が大事だと思う(というか全部大事か・・)。そしてこれもUVI workstationってやつにデフォで入ってるやつだよ!今でもフリーで配布されてるのかな?(ちなみにドラムもそれにデフォで入ってたやつ)

ミックスはスピーカー使ってないでヘッドホンだけで適当にやったからどうなってるかわからないです。リバーブかけるとかいう意識じゃなく「音色を好みにするために」って意識でEQとリバーブをちょっとかけた。勘で。なんかやたら音像でかいしDTMっぽい音になったけどこれはこれでいいかなと判断しました。ちなみにリバーブはcubaseのデフォのなんたらSEです。で最後にwavesのマキシマイザちょっとかけた。

音色音色言ったので思うこと言うと、クラシック出身の人ってあんま総合的な音色とかミキシングとかのこだわり無いのか、わりと音色選びが緩い印象ある。逆に演奏がすごい凝ってる。その反対がクラブミュージックで、演奏なんかしてないけど、音色はめちゃくちゃ凝ってるみたいな現象あると感じる。実は凝ってなんか無くて最新の機材のプリセット使ってるだけな人も多いと思うけど。最新のソフトシンセのプリセットは最新のクラブミュージックの音が鳴るからな⊂(^^)

今回もシーケンサにdominoちゃん、仮想midiケーブルにloopMidi、dawにcubaseを使って、midiキーボードで鳴らしながらやりました。



若干稚拙だけどなんかの参考にしてね👻 あくまでBGMとしてのラインでやったから、もっと「音楽的にどうこう」の話になると、もっと考えるべきポイント出てくると思うけど、今回は「これをやればそれっぽくなる」っていうのの羅列が主眼だから許して👻










2 comments

匿名 | 2018年1月15日 9:31

はじめまして。
自分はこういう渋谷系のラウンジな感じのBGMが大好きで、
それでいてうまく作れなくて挫折していた者です。
たまたま検索していたところ、こちらの記事にたどり着きまして、
読んでいて大変参考になりました…!
下降25などが非常にわかりやすくて、
ぼくもコード進行の勉強がしたいなぁと思いました。
普段渋谷系っぽいメロディを考えてから和音を当てて考えようとしてたので…。

こういう曲にありがちなどういった楽器を使っているかよくわからない編曲面にも触れていて、すごく参考になりました…!
参考になったと言っても、まだぼくはこういう曲が作れてないですが…((
ぼくもまた頑張ってみたいと思いました…。
素敵な記事をありがとうございます。

あまり関係ない質問なんですが、dominoをLoopMidiで繋いで、
cubaseの音を出す方法が非常に気になりました。
もしもよければ教えてほしいです…。
実は昔自分もやろうとして、定義ファイルなどがよく分からずに挫折してしまいまして…。

obake | 2018年1月16日 14:23

>>匿名さん

ありがとうございます!編曲を具体的に語ってる人ほぼ全くいないですよね!

domino⇒LoopMidi⇒cubaseは僕がメモとしてまとめていたのがあるのでよろしければ参考にしてください!

■■■■■■■■以下メモ■■■■■■■■■
①loopMIDIでポートをたくさん作っておく
・loopMIDIを開いたら、適当に右下のとこに名前を書いて左下の「+」を押す(するとポートが一つできる)
・とりあえず16個くらいポートを作っておく

②ソフトを順番通り立ち上げる
・まず「loopMIDI」を立ち上げる
・次にdominoとCubaseを立ち上げる(ここは順不同)

※以下の③④はどちらを先にやろうが構わない

③cubaseで使いたいインストゥルメントトラックを作って、loopMIDIポートからMIDIインするようにする
・まず適当に使いたい音色のインストゥルメンタルトラックを作る
・そのトラックの左上あたりの「MIDI IN」の部分を「loopMIDI」で作ったポートのどれかにする

④dominoのトラックのMIDIアウトをloopMIDIポートにする
・まず初期設定として「ファイル」→「環境設定」→「MIDI-OUT」→で、ポートに、使うloopMIDIのやつをたくさん足しておく(この中から選択できるようになるから足せるだけ足す)
・上の「トラック」→「トラックノプロパティ」→「ポート」のところを②で設定したポートにして「OK」
・そうするとdominoのこのトラックで打ち込んだMIDIがcubaseの先ほどのトラックに送られ、そちらから音が鳴る

■仕組み概説
・dominoのMIDIアウトを「loopMIDI」にする
・cubaseのMIDIインを「loopMIDI」にする
→「dominoのシーケンサ情報→loopMIDI→cubaseのトラックへ伝わりcubaseから音が鳴る」

■留意
・オーディオインターフェースが「複数デバイスからの出音」に対応してなかったら「domino側で再生してからすぐcubase画面をアクティヴにする」という操作を行わないと音は聴こえないから不便
・パソコンをシャットダウンする前にloopMIDIを閉じてからシャットダウンしないと不具合起きることあるらしい
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