好きな音楽は何か
作曲をするにあたって「どういうのを作るか」となった時の解決先として「自分が好きなものを作る」、「クライアントが望むものを作る」、「売れるものを作る」、「ライブに合うのを作る」とかいろいろあると思います。この記事では「自分が好きなものを作る」時についてだけ考えます。
人がとある音楽を好きになる時には「音楽」というのは様々な価値基準から総合的に判断されて「好き」と思われます。
人が音楽を好きになる基準は大体以下のようなものがあると思います。
■社会でどう扱われているかという「情報」(人気の取り方など、モテ方の種類など)
まあいろいろあるわけですが、単に「音楽」と言ったって、あなたがそのとあるバンドAを評価している要因は「音楽自体」にもいろいろあるわけなんです。音楽は芸能でもあり総合芸術でもあるので、「音楽自体以外」の要素もちゃんと人の「好みかどうか」の天秤にかかってくるってことは知って良いと思う。
「そもそもあなたが音楽が好きなのは"それに取り組んで行けば自分が他人から認められる気がしてる"からではないのか?音楽が好きなのか「将来の自分の可能性を感じる部分が好き」なのか?他にもたくさん音楽の種類がある中、なぜわざわざ演奏が誰でもできそうなバンド音楽をずっと好んでいるのか?それは自分でもできそうで、自分でも認められそうで、自分でも稼げそうだからではないのか?本当にそのバンドが音楽として好きなのか?」
「本当にあなたは複雑な音楽が「音楽として」好きなのか?それともそれを「ウーン複雑だね」ってネット上で語った時のマウンティング感が好きなのか?」(勘違いしないでほしいけど、この衒学的なアイデンティティをあげるところも「芸術」というものの一つの大きな良さだと思う。ここを完全否定してるのでは、なんか違うと思う。例えばエヴァなんかまさにそうだし、これを否定したらエヴァもゴミだと言えなきゃいけない。芸術はそもそも、神のように扱われてるけど、人間にとっては「いかにアイデンティティになるか」の存在でしかないと思う。衒学的な部分は「ただ語りたいだけだろwwww」と馬鹿にするのでなく、芸術の大きな役割として受け入れなきゃいけないと思う。じゃなきゃもっと紙の本やCDじゃなくて、タブレットや配信が流行ってるはず)
「その曲のどこが好きなのか?メロディかコード進行か、それとも鮮やかな編曲か、それとも顔か、歌詞か。「どれが好きなのかよくわからない」のならばなぜ分からないのか?想像してみて、分離して考えてみて、それぞれ単体で感じるものを別々に考えてみたらどうか?」
好きな音楽は大衆的な音楽ではないはずだ、もっと個性的な音楽なはずだ、と書いているわけじゃないけど、好きな音楽は何かを徹底的に考えることで、作られる音楽に個性が出ると思う。本当にサビの三行目で4536やられた時の雰囲気好きですか?
偉そうに書きましたが僕の単なる意見であり、これが完全に正しいと確信してるわけでもめっさ押し付けたいわけでもありません。確信してるような文体で書いてしまったのは、まあいいっしょ
あとあくまでも「作曲する人として」ってスタンスで言ってるだけで、音楽をエンターテイメントとして楽しむ事にたいして全く否定してないし、むしろ僕はエンターテイメントだっていうのを大前提に楽しんでます。だってエンターテイメントなのにわざわざ「作曲的にどうか?」って考えて楽しむのはもったいないから。そこらへんEXILEっていうのは変に「音楽をやってます」って感じでなく「我々がやってるのはエンターテイメントだ」みたいな姿勢を分かりやすく出してて、すごくいいと思う。自分で作る時に、そこらへんは切り離して作るのをおすすめしてるだけです。
すいませんでした
「じゃあ好きな音楽って何なのか?」って議題です。
音楽に限らず人の好みがどのように形成されるかというものはだいぶ謎だと思いますが「徹底的に自分に問いただす」ことで見えてくるものがあると思います。
普通の意識での音楽の好みって「なんとなく」だとか「聞いて良いと思ったものは全部良い。ジャンルは関係無い」だとか「コード進行が~みたいなタイプの曲が好き」だとか「ギターが~~」とかだと思う。それでいいなら良いと思う。それでよくない生真面目な人は、良くないと思う。人それぞれの生き方や選択を尊重します。考えない人は考えない人の良さがあるし逆もそうだから結局。それは大前提。
ありそうなダメなパターンは『実は自分がAというバンドが好きなのは、音楽性じゃなく、ビジュアルやパフォーマンスだった』のに『Aってバンドが好きだから、Aみたいな音楽を作ろう!』ってなること。そうなると、Aみたいな音楽を作っても本当に好きだったのは顔や踊りだから結局「うーんなんか・・・」となってしまう。
例えばめちゃくちゃビジュアルやパフォーマンスや人気が優れていて憧れちゃうバンドがあったとします。何も考えないと、そのバンドの何が好きなのか分からないでしょう。音楽はゴミだとしても、ビジュアルやパフォーマンスが良かったり人気があってキャーキャー言われていたりすると、『このバンドが好き』ってなって、同時に心の底で『そしてこのバンドの音楽も好き』ってなってしまうでしょう。いやそこは作曲したい人ならば厳密には分けないといけないのではないでしょうか?Aというバンドの「音楽性」は本当に好きですか?あなたがAというバンドに憧れているのはどこですか?
例えばめちゃくちゃビジュアルやパフォーマンスや人気が優れていて憧れちゃうバンドがあったとします。何も考えないと、そのバンドの何が好きなのか分からないでしょう。音楽はゴミだとしても、ビジュアルやパフォーマンスが良かったり人気があってキャーキャー言われていたりすると、『このバンドが好き』ってなって、同時に心の底で『そしてこのバンドの音楽も好き』ってなってしまうでしょう。いやそこは作曲したい人ならば厳密には分けないといけないのではないでしょうか?Aというバンドの「音楽性」は本当に好きですか?あなたがAというバンドに憧れているのはどこですか?
人がとある音楽を好きになる時には「音楽」というのは様々な価値基準から総合的に判断されて「好き」と思われます。
人が音楽を好きになる基準は大体以下のようなものがあると思います。
■社会でどう扱われているかという「情報」(人気の取り方など、モテ方の種類など)
■やっている「音楽自体」(テンポ、メロディや編曲や作曲やボーカルの声質など)
■とある共同体の中での「とある価値基準に合致するかどうか」
■「歌詞」
■やってる音楽が「自分にもできそうか」(そこを目指して自分が将来モテるか)
■「ビジュアルの味」(イケメンだとかでなく「味があるか」)
■やっている演奏や音楽の「技術」(ギターが上手い、など)
■「パフォーマンス」
■それを好きだと語ることでできる「他人との差別化(アイデンティフィケーション)」
■それを好きだと語ることでできる「他人との差別化(アイデンティフィケーション)」
まあいろいろあるわけですが、単に「音楽」と言ったって、あなたがそのとあるバンドAを評価している要因は「音楽自体」にもいろいろあるわけなんです。音楽は芸能でもあり総合芸術でもあるので、「音楽自体以外」の要素もちゃんと人の「好みかどうか」の天秤にかかってくるってことは知って良いと思う。
例えばなぜか人々は「バンド音楽」が好きだけど、音楽なんてもっともっとたくさんあるじゃないですか。なぜそれでも「バンド音楽」がこれほどまで人気なのかというと、それは「音楽的な人気」ではなく、「人間的な意味での(つまり芸能人的な意味での)人気」を得られるからだと思います。わりと結構多くの人が、「バンド音楽」というものを一つの「芸能人」的な見方しているはず。じゃないとここまでこんな定型的でバリエーションの少ない音楽にずーっと人気出てるわけない。なぜここまでバンド音楽が芸能的な人気を得るようになったのかは、それはTVのプロモーションのせいだと思う。
1900年代は工業革命からのTVの時代だった。その時代にはTVが世界中の人の脳内の情報をだいぶ支配した。TVに出るだけで、神格化された。ちょうど工業革命からの「録音音楽」というものも出始め、そして「TVでプロモーション」を始めた。これは「TVに出すことで、自社(というかスポンサー)の商品を神格化して、売るための経営戦略」だった。そういう経営戦略によってまんまと「バンド音楽」または「ビートルズ」等のバンドは神格化された。しかしインターネット時代になると、そこまでTVが人の情報を支配しなくなり、神格化の威力は弱まってくる。だからバンド音楽の魅力も多少落ちてくると思う。
まあとにかく「工業革命時の、経営戦略としての、バンド音楽の神格化」というものがあったのだと僕は思います。
まあとにかく「工業革命時の、経営戦略としての、バンド音楽の神格化」というものがあったのだと僕は思います。
こんな感じで、本当にそのバンドの「音楽的な部分」が好きなのかどうかって疑問は、十分疑いようがあると思う。作曲家となる人は特に、そこを勘違いしていては、あまりよくないのではないかなと思う。
また「生理的な意味」での音楽の好みはどう形成されるのかというのは、これはまだ仮説しか出ていないだろうから、それぞれが自分で納得できる仮説をもって満足していればいいと思う。僕が満足した仮説は以下のようなものです
"音楽を聴く時はいつも、私たちは自分の手持ちの(つまり自分がこれまで身に着けてきた)ありとあらゆる「聴く型」を総動員し、そのスイッチをオンにして、どれかが反応してくれることを願って望んでいるのではあるまいか"
これだけ読んでもよく分らないかもしれませんが、これは「音楽の聴き方」という本の8ページあたりにあった文です。僕は人の音楽の"生理的な"趣味の形成の理由は「音楽の聴き方」という本と「音楽の科学」って本を読んで、「ああこの仮説で、もう悩まずにいられるな」と思って、考えるのを辞められました。要約すると上記の文章がまさに要約だと思います。
これ以外にもわりとかなりの量の音楽心理の本読みました。一時期こういうことばっか考えていたので。
一応最後に疑問形を投げかけておきます。特定のアーティストや人物を差してるわけではありません。
「本当にAの音楽が好きなのか?」
「Aの音楽を聴いて得られる情動は本当に好きか?なんかやたらと攻撃的だけどいいのか?」
「あなたが他の分野の芸術も合わせて一番好きな雰囲気は何か?絵で言えばどのジャンルが好きなのか?その絵の何が好きなのか?世界観なのか?その絵の世界観と、あなたが好きな音楽から伝わってくる雰囲気は似ているか?全然違うのか?全然違うなら、あなたの本当の好みとはなんなのか?複数あるのか?」
「JPOPって音楽的にはロマン派的なジーンと感動させるタイプの音楽だと思うけどあなたは人をジーンと感動させたくて音楽をやりたいのか?それとももっと別の何かを表現したいのか?別の何かを表現したいのならばロマン派的な音楽でなく、もっと別の音楽的要素でアプローチしなくていいのか?」
「そもそもあなたが音楽が好きなのは"それに取り組んで行けば自分が他人から認められる気がしてる"からではないのか?音楽が好きなのか「将来の自分の可能性を感じる部分が好き」なのか?他にもたくさん音楽の種類がある中、なぜわざわざ演奏が誰でもできそうなバンド音楽をずっと好んでいるのか?それは自分でもできそうで、自分でも認められそうで、自分でも稼げそうだからではないのか?本当にそのバンドが音楽として好きなのか?」
「本当にあなたは複雑な音楽が「音楽として」好きなのか?それともそれを「ウーン複雑だね」ってネット上で語った時のマウンティング感が好きなのか?」(勘違いしないでほしいけど、この衒学的なアイデンティティをあげるところも「芸術」というものの一つの大きな良さだと思う。ここを完全否定してるのでは、なんか違うと思う。例えばエヴァなんかまさにそうだし、これを否定したらエヴァもゴミだと言えなきゃいけない。芸術はそもそも、神のように扱われてるけど、人間にとっては「いかにアイデンティティになるか」の存在でしかないと思う。衒学的な部分は「ただ語りたいだけだろwwww」と馬鹿にするのでなく、芸術の大きな役割として受け入れなきゃいけないと思う。じゃなきゃもっと紙の本やCDじゃなくて、タブレットや配信が流行ってるはず)
「その曲のどこが好きなのか?メロディかコード進行か、それとも鮮やかな編曲か、それとも顔か、歌詞か。「どれが好きなのかよくわからない」のならばなぜ分からないのか?想像してみて、分離して考えてみて、それぞれ単体で感じるものを別々に考えてみたらどうか?」
好きな音楽は大衆的な音楽ではないはずだ、もっと個性的な音楽なはずだ、と書いているわけじゃないけど、好きな音楽は何かを徹底的に考えることで、作られる音楽に個性が出ると思う。本当にサビの三行目で4536やられた時の雰囲気好きですか?
偉そうに書きましたが僕の単なる意見であり、これが完全に正しいと確信してるわけでもめっさ押し付けたいわけでもありません。確信してるような文体で書いてしまったのは、まあいいっしょ
あとあくまでも「作曲する人として」ってスタンスで言ってるだけで、音楽をエンターテイメントとして楽しむ事にたいして全く否定してないし、むしろ僕はエンターテイメントだっていうのを大前提に楽しんでます。だってエンターテイメントなのにわざわざ「作曲的にどうか?」って考えて楽しむのはもったいないから。そこらへんEXILEっていうのは変に「音楽をやってます」って感じでなく「我々がやってるのはエンターテイメントだ」みたいな姿勢を分かりやすく出してて、すごくいいと思う。自分で作る時に、そこらへんは切り離して作るのをおすすめしてるだけです。
すいませんでした
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